肉副産物って危険なの?問題点は?ただ「安全≒品質」は別の話

副産物とは
主産物の製造過程から付随して必然的に得られる物品


可食部は、 人が通常(食習慣)で、食べられる部分
非可食部位とは、人が食べれない(食べない)食肉以外の部分

肉副産物(畜産副産物)とは
食肉処理の過程で得られる「牛・豚・鶏」等から、
食肉を除いた非可食部位の「肺、脾臓、腎臓、脳、肝臓、血液、骨」など

※「食肉」及び「毛、角、歯、蹄」「胃や腸の内容物」を除いたほとんどの部位

畜産副産物
社団法人日本畜産副産物協会



食肉加工業から「レンダリング工場」に渡り、食用(可食部)に用いられなかった、
くず肉などから「粉末肥料、飼料、洗剤」などの原料となる動物油脂及びミールを作る

レンダリングとは、骨や内臓などの不可食部位を、
高温で加熱して油脂分を絞り取って固形物とを分離する作業のこと

油脂分は、精製処理を行い「動物性油脂」
固形物は、粉砕して粉末状に「動物性ミール」「肉骨粉」

この際には、殺菌も行われ、「高温・高圧」で処理される




農林水産省 飼料規制(原料規制)の概要(2019年4月時点)

由来動物血粉等ペットフード
(※)血粉等
肉骨粉、蒸製骨粉等
めん羊・山羊(※)血粉等
肉骨粉、蒸製骨粉等
血粉等
肉骨粉、蒸製骨粉等
フェザーミール、チキンミール等
(血粉等を含む)
蒸製骨粉等
魚 粉
血粉等
肉骨粉、蒸製骨粉等
しか血粉等
肉骨粉、蒸製骨粉等
食品残さ(動物性たん白質を含むもの)

(※)死亡牛、死亡めん山羊、SRMの除去が要件(BSE検査)

ペットフード原料として利用可能な獣脂かす(肉粉)の条件
1.食用脂身のみが原料とされていること。
2.ペットフード原料としてのみ利用されること。
3.食品製造施設・工程で製造された獣脂かすであること。
4.肉粉の場合は「3」の獣脂かすのみから専用の工程で製造されること。
5.1~4に適合していることを確認できる記録が整備されていること。
6.獣脂かす(肉粉)について、肥飼料検査所がその原料、工程等を確認する。






栄養素的には、豊富に含まれているのも事実

副産物と聞くと
質の悪いドッグフード」と、イメージが強く抱かれるかと思いますが

要するに、人間が食べない部位(非可食部位)
そう考えると、粗悪なものと認識してしまうようだ!

しかし、栄養素として見れば、非可食部位は貴重な栄養源で、
例えば、内臓には、必要な栄養素がより多く含まれている

「必要な栄養素が豊富に含んでいる」と言う理由で
ペットフードメーカーでも、副産物を使用していることが多いです!

また、副産物自体は、安価で仕入れることができるので
コストを下げて、ペットフードを販売することも可能ですよね!


ペットフードの原材料に記載されている主な副産物

原材料に記載されている主な副産物

「肉類、家禽類、鶏肉類、魚介類」副産物
「肉粉、魚粉、あらびき粉、骨粉」ミール

「○○副産物」「○○粉」「○○ミール」「○○パウダー」「○○エキス」


原材料としては、主にこの様な形で記載されている

◇肉類(ビーフミール、ポークミール、チキンエキス、チキンミール、ササミパウダー)
◇肉類(チキンミール、牛肉粉、豚肉粉、チキンレバーパウダー)
◇肉類(チキンミール、家禽ミール、ラムミール)
◇肉類(チキンミール、チキンレバーパウダー)
◇肉類(チキンミール、家禽ミール)
◇肉類(ミートボーンミール、チキンミール)
◇ミートミール
◇ミートボーンミール





「副産物」のデメリット

ペットフードに入っている「副産物」のデメリット!とは

「副産物」等は、何かは?特定できない

食用としている「牛・豚・鶏」など、
規制も強化され、安全な食品等として「安全性の確保」されていて

通常は、安全な食肉の副産物と思いますが
ですが、一部の加工処理(レンダリング)業者の中では、

食品を加工している場所とは思えないほど、
劣悪な環境の中で、加工処理を行っている場合も珍しくない

また、考えたくもありませんんが、
動物の死体や飼い犬・飼い猫・その他もろもろ、加工業者が委託して製造するなど

2002年、路上などで死んだ犬猫の死がいの処理を
一般廃棄物処理の認可のない徳島市内の肉骨粉加工業者に委託していたニュース

こう言ったケースは、
極端な例かもしれませんが、現実的に起こりうることも考えてしまう!



「4Dミート」について

アメリカの肉のランクでの中に「4Dミート」とされるものがある
人間用の食用には適さない(基準に満たない)もので、廃棄処分レベルのものを指す

それぞれの頭文字の「D」とって「4Dミート」

Dead死骸
Diseased病気
Dying死にかけ
Disabled障害のある


農林水産省のガイドライン
「ペットフード用肉骨粉等の取扱いマニアル」

クリック拡大

画像の説明

図の中に、死骸家畜等(家きん、豚、馬)とあり、屠畜以外で、何らかの原因で死亡した場合でも、レンダリング工場で使用できるようだ!

※ 屠畜(とちく)家畜等の動物を殺すこと
※ 家きんとは、その肉・卵・羽毛などを利用するために飼育する鳥の総称

家畜がどう言う経緯で死亡したかはわかりません
当然、専任の獣医師が調べるとは思いますが、病気等も含むと推測できる

ですので、Diseased(病気)、Disabled(障害のある)
これらの肉骨粉等(鳥、豚、馬)に関しては
副産物として普通に行われているようですね!

牛の場合は、死亡したら必ず「BSE検査」が義務付け
場合によっては、焼却処分されます




高温高圧加工されたものが、製造時に再度、加熱処理

レンダリングする際、熱を加えて溶かし食用の油脂
絞りかすとなる肉粉といわれる副産物ができ、ペットフード原料などに利用される

一連の流れの中で、熱処理を行いますが、
高圧・高温で処理して、蒸したのち乾燥させることになります

その副産物を、ペットフードの原材料として再び熱処理を行います

加熱処理のデメリットは、
過度の加熱をすることで、成分が失われてしまう

「肉骨粉等」は、空気を遮断し熱分解(約800℃以上で8時間以上加熱)して炭化させたもの
(骨を空気の流通下で燃焼(1000℃以上)したもの)を除く)




酸化が進むので強い酸化防止剤などが使用される

副産物を使っている場合、「防腐剤」など、添加物が含まれることが多いです
味付けや長期保存のために、多くの添加物が使用される傾向になる

稀な事故ですが、労働災害事例として

「作業者が硫化水素中毒で倒れ、救助者2名も倒れた」原因として
鶏の内臓、骨、頭部等が腐敗して硫化水素等が発生し、膨張した原料・・・

こう言ったケースを耳のすると
通常的に、腐食した原料を「チキンミール」を製造しているなど

「腐食させてしまう環境で加工しているのかな?」と感じてしまう!




すべての副産物を否定するものではない!

いくつかのデメリットがあるものの
全ての「副産物」がダメ(危険)なのか?と言うと、そうでもない

メリットとしては、

原材料のコストを抑えることで、安く提供できる

タンパク源の「質量が濃縮」されてタンパク質量を上げれる

粉末状にすることで消化性を増すことができる


例えば、品質が高いと思われるドッグフードに
「チキンミール」が原材料にあっても、危惧する必要がない場合もある

あえて、食肉部分のみを使用して「チキンミール」として使われて、
価格を抑え、タンパク質を高くするなど、品質を確保する場合もある

大抵の場合、ヒューマングレード(人間が食べられるレベル)を使用していて
ヒューマングレードと記載がある場合が多いですね!




フェザーミール、チキンミール、ポークミール、ビーフミール

家禽ミール(チキンミール)とは


「チキンミール、鶏肉粉」など

正肉を取りのぞいた、不要部位から
(レンダリング処理)脂を抽出して粉砕して粉末状にしたもの

鶏、七面鳥、アヒル、ウズラ、ガチョウ、キジ、ハト等の肉・卵・羽毛などを
利用するために飼育する鳥、その他もろもろの副産物

原産国によっては、使われる部位が異なるが、
「骨、内臓、皮、くちばし、羽、頭部、足、血液」など

高温で加熱した後に、油脂分を分離して高温・高圧で処理される
AAFCO 家禽ミールに使用してよい部位は「肉、骨、皮」のみを指定




ポークミール(豚肉粉)とは


「ポークミール、豚肉粉、豚副産物」など

と畜場、食肉カット工場から出る、豚の不可食部位等を、
(レンダリング処理)脂を抽出して粉砕して粉末状にしたもの

原産国によっては、使われる部位が異なるが、
「骨、脂肪、内臓、皮膚、四肢、頭部、血液」など

高温で加熱した後に、油脂分を分離して高温・高圧で処理される




ビーフミール(牛肉粉)とは


「ビーフミール、牛肉粉」など

と畜場、食肉カット工場から出る、牛の不可食部位等を、
(レンダリング処理)脂を抽出して粉砕して粉末状にしたもの

原産国によっては、使われる部位が異なるが、
「骨、脂肪、内臓、皮膚、四肢、頭部、血液」など

高温で加熱した後に、油脂分を分離して高温・高圧で処理される




肉骨粉(にくこっぷん)とは


食肉処理の過程で得られる「牛・豚・鶏」食肉を除いたあとの
「屑肉、脳、脊髄、骨、内臓、血液」等を
加熱処理の上、油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたもの




フェザーミールとは


フェザーミールとは、畜産副産物の一種

フードの原材料として、稀に「フェザーミール」と、記載されているものがあって
これは何を原料にしているかと言うと

食用の鶏(ニワトリなど)から、人用で扱う正肉を取り除いた後に残る
鳥の羽(羽毛)を加工して粉状にしたものになる

「3気圧・180℃」の高圧・高温で、3時間以上蒸したのち乾燥させて作られる

どれだけの栄養素が含まれているか定かではないが
そもそも、高温高圧で処理した栄養素が、どれだけ体に吸収されるか?疑問です




ミートミールとは


ミートミール「牛、豚、羊、ヤギを含む様々な哺乳動物」

ミートミール(肉粉)は、
(レンダリング処理)脂を抽出して粉砕して粉末状にしたもの

「血液・毛・骨やひづめ・角・胃」や「内容物・糞」などを除く
「牛、豚、羊、ヤギ以外の哺乳動物でも良い」とされている

特定の動物が指定されていなく、哺乳動物の何らかの肉が使用されている

ミートボーンミールは、「肉と骨粉」
ミートミール同様に、「牛、豚、羊、ヤギを含む様々な哺乳動物」




肉副産物「安全 ≒ 品質」は別の話

副産物は、完全にアウト!底辺のペットフードで危険すぎる!
と、言い切る方も多くて、過剰すぎる言い分があまりにも問題だとは思う


例えば、「副産物には、4Dミートが含んでいて、しかも、すべての動物の死骸(病気含む)が混入している可能性がある」など


「レストランが出した生ゴミ、事故で亡くなった動物、薬で安楽死させられた動物、病気で亡くなった病原菌を持ったままの動物」こうなると、言いすぎな面があって


基本的には、アメリカでは「AFFCO」、ヨーロッパでは「FEDIAF」などの基準や
FDA規制によって、副産物を使用する形で安全性は確保されている


国内でも、「牛の特定危険部位を適正に除去して処理するとともに牛、豚、鶏など畜種別に処理する体系が全国に整備されている


じゃ、問題ないの?安全なの?とは、言い切れないのも事実
基本的には、よくよく原材料を見るなどをして、ある程度の判断をすることになるのだが


悪質な業者がいるのか?いないのか?は、現実的には分からないし
過去の事例を見ると、いるのかもしれない


現在の安全規制によって、悪質なことはできない?のかもしれない
ただ、10kg 1,000円程度のペットフードを見た場合、疑いたくもなる


「ミートミール、ミートボーンミール」など、何の動物か?が分からない場合は
アレルゲンが含んでいても、何が原因か特定することも難しいデメリットもある


また、「腸内の糞を取り除く」とされているが、「現実的にはコストも掛かるし取り除かれてないのでは?だから大腸菌やその他の危険な菌を消毒剤で殺菌する必要があるのでは?」「消毒剤には危険な薬品も含んでいるので心配」と指摘されている面もある


とは言え、基準に準じていれば,ある程度の安全は確保できるとは思いますが
「安全≒品質」は、別の話で、その辺も含めての判断材料になりますね!




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