犬は肉食ですか?それとも雑食?食性はどうすべきなのがベスト
目次
「肉食動物・草食動物・雑食動物」の特徴
動物が食べる物の種類(食性)によって
「肉食動物」「草食動物」「雑食動物」に分けられ
「目の位置、歯の構造、腸の長さ」
これらの3っの構造が、大きく異なる特徴として上げられる!
「肉食動物」
肉食動物とは、生きている動物を食べる
代表的な肉食動物は、「ライオン、トラ、ハイエナ」など
特徴
- 目が前向き(前面)に付いている
- 犬歯(けんし)が発達している
- 短い消化器官
両目でしっかり判断して、正確な距離を測り、
獲物を追いかけて、急所を正確に攻撃して捕らえる為に、目が前面に付いている
噛みついて獲物を逃さないために、犬歯(けんし)が発達していて
他の歯に関しても、肉を噛みちぎるための構造になっている
また、肉は、細かく砕く必要もなく消化しやすく、
逆に、消化器官が短いため、食物が消化がしずらい、または、消化できない
「草食動物」
草食動物とは、食物を食べる動物
代表的な肉食動物は、「ウシ、シマウマ、シカ、サイ」など
特徴
- 目が側面に付いている
- 臼歯(きゅうし)が発達している
- 長い消化器官
片目で見ることで、正確な距離感は掴みにくいが食物を食べるので問題なく
逆に、襲ってくるのを察知する為、広範囲を見渡すために目が側面に付いている
食物を噛みきり、しっかり潰すために
前歯の門歯(もんし)、奥歯の臼歯(きゅうし)が発達している
また、消化が難しい食物も、細かく砕く歯の構造と
消化器官が長いことで、消化しやすい(時間をかけて吸収)する
草食動物の中には、防御するための役割で
ツノが生えている動物も多く、肉食動物には見られない側面もある
「雑食動物」
雑食動物とは、食物・肉を食べる動物
代表的な肉食動物は、「人間、サル」など
特徴
- 目が前向き(前面)に付いている
- 門歯(もんし)、犬歯(けんし)、臼歯(きゅうし)が発達している
- 短い消化器官
肉食動物と草食動物の両方を合わせ持つ場合が多く
犬は、肉食と思われがちですが、雑食動物の部類に入る
犬の歯の形と犬の消化器官
犬の歯の形
犬は、奥歯で砕いたりすり潰して、
消化しやすくしてから飲み込むのが苦手で
犬の歯は、「切歯、犬歯、全臼歯、後臼歯」で構成されて
狩りの際に獲物を突き刺す鋭い犬歯(けんし)が発達している
また、上下の全臼歯、後臼歯が
ハサミの様に噛みあうことで、肉を切り裂く構造の歯が特徴になる
※ 裂肉歯(れつにくし)といった歯の構造、 先の尖った形状で、はさみのように重なりあって、硬い肉の剪断、骨の粉砕に特化した構造 |
犬の消化器官
腸は、消化・吸収するため器官で
消化器官(腸の長さ)の違いは、食べるものが関係していて
食物を消化吸収するためには、時間が掛かる為に、
腸が長いのは、草や植物を食べるのに適している
犬の消化器官は、短い腸になっていて
また、食べ物を丸呑みするという習性が関係して強い消化液が分泌される
犬って肉食?それとも雑食?
動物は食性の違うことで
「肉食」「草食」「雑食」など、何を主に食べているかで分かれる!
- 犬は元々オオカミでしたから紛れもなく肉食動物...
- 雑食動物との声もありますが、それは大きな間違いです...
- 体の構造や習性などは99%オオカミのDNAを受け継いでいます...
など、犬は「肉食動物」と言う声もありますが
結論からいうと、犬は、雑食動物に位置付けされています!
そもそも、犬の先祖と言われているオオカミは「肉食動物」?
オオカミは、シカやイノシシなどを、狩って食べる習性を持つ肉食獣ですので
完全な肉食と思われている方も多いと思われますが...
実は、オオカミも雑食性が強い肉食であると解っていて
「雑食に耐えうる能力がある!」とされていますね!
昆虫や植物、フルーツなども食べることも分かっていて
また、人間の生活圏に入り込んで、残飯を漁ったりもします
エサが少ない場合には、草食動物の糞も食べることもあるようです
とは言え、基本的には、生きた動物を捕らえて
内臓や骨、皮や血にいたるまで、何でも食べつくします
ですので、腸の内容物から、炭水化物なども摂取することになり
草食動物の内臓には、消化途中の植物成分が含まれているから
そう言った意味では、栄養バランスも悪くないと言うことになる!
犬は穀物を消化できるの?
危険な野生動物からの集落を守るために
人間が犬と共に暮らし始めたのが約3万年前と言われていて、
次第に、狩りのパートナーとなり、暮らしながら進化してきて
様々な犬種も生まれ、雑食性がさらに進むことに繋がってきている
今では、オオカミの腸の長さが、体長の約4倍に対して
犬の腸の長さは、体長の約5倍~7倍と、オオカミの腸の長さより長いことになる
動物 | 長さ(cm) | 体長比 |
---|---|---|
ライオン | 7 | 3.9 |
トラ | 5 | 5 |
ネコ | 2 | 3.5 |
ウシ | 51 | 25 |
ヒツジ | 31 | 27 |
ウマ | 30 | 12 |
ブタ | 22 | 15 |
オオカミ | 6 | 4 |
イヌ | 4.5 | 5~6 |
ヒト | 7 | 4.5 |
したがって、オオカミよりも雑食性に対応できる形に変化されていて
人間とともに暮らす過程の中で、食性が多様化されてきたことになりますね
犬は、「肉食動物」に近い「雑食動物」
オオカミは、鹿や馬などの草食動物の内臓を食べつくすので、
必然的に、植物由来の栄養を摂取していることになるのですが
ですので、犬は肉食なので肉だけ与えていれば問題ない!
と、結論付けるのは間違いで、肉以外からも必要な栄養を摂る必要があります!
但し、体(歯の構造、消化管の構造)が、肉食の特徴もっているので
犬は「肉食に近い雑食動物」と、言うことが言えますね
要するに、穀物を消化できるが得意ではない、肉の消化は得意!となる
「歯の構造」「腸の長さ」の特徴から見れば
犬は、肉を裂くことは得意で、穀類や植物をすり潰すのは苦手です
肉の消化は得意で、穀物を消化するのが苦手となる
また、炭水化物(でんぷん)を、消化するのに必要なアミラーゼ(酵素)を、
ごくわずかしか持ってないので、苦手と言われていてるのですが
但し、全く消化できない!わけではなく
犬の場合は、口腔(唾液腺)からはアミラーゼが分泌されませんが
十二指腸(膵臓)からは、分泌されます
したがって、犬はアミラーゼが分泌されない!と言う情報は誤りとなり
犬は、穀物を食べても消化できないわけではありません
でんぷんを分解するための消化酵素(アミラーゼ)の遺伝子のコピーを犬はオオカミの2~15倍持ち、犬のアミラーゼ活性はオオカミの28倍になると報告されている
但し、口内での「でんぷん」の分解を助けるアミラーゼを持っていないことと
腸が短いために、効率よく消化できない一面もあるので、
穀物(炭水化物)を、多く含む食餌には、
吸収率も悪く、消化器官に負担を与える側面も考えられる
犬の食性はどうすべきなのがベスト!
犬は、雑食動物になりますが
とは言え、人間やサルの様な雑食性が強いわけではありません
「歯の構造」や「腸の長さ」からも見ても
犬の腸は、動物性タンパク質を消化するのに適していますので
雑食性の一面がありますが、
肉を中心にしたドッグフードが、犬にとって最も良い食餌と言えます!
但し、栄養素のバランスを踏まえて
穀物や野菜など、多様な食材からの成分も必要になることも重要です
犬の先祖であるオオカミと同じく、
(生)肉だけ与えればよい!と言われる方もいますが...
野生動物と同じ肉食を家庭で実現しようとする考えであれば
肉だけでなく、「内臓、骨、血」など、まるごと与える必要があります
要するに、肉以外の部位から得られる栄養素が不足することになりますので
生肉を中心の食餌とする場合は、不足した栄養素を補う必要がありますね!