犬の涙やけの原因から予防・改善方法!見直しすべき事とは?

涙やけの予防

「涙やけ」は、獣医学的専門用語では無く俗語となります
要するに、疾患ではないので、「涙やけ」です。と、診断されることはありません


「涙やけ」とは

涙やけとは、あふれ出した涙が、目頭から鼻の横(目の周り)にかけて
被毛にこびりついて変色した状態のことを言う!

目の周りの毛が「茶色若しくは黒く」変色してしまっているのは
必要以上に、大量の涙が眼から溢れてしまっているからで、

何らかの原因で、必要以上に涙が出てしまってるのが
「流涙症」(りゅうるいしょう)と、言われている疾患ではなく病状です!




犬の涙やけ

涙は、なぜ出るの?

人であれば、悲しい時や嬉しい時など、感情に左右されて涙がでますが
その他にも、涙腺から微量の涙が分泌して「結膜や角膜」の潤いを保ったり

「風、煙、ホコリ、砂、ゴミ」など、
刺激物によって、反射的(反射性の涙)に涙が出て目を守ろうとします

犬は、感情的に涙は出ませんが
人と同じく、目を守るために常時ある一定量の涙が出ています

1. 目を乾燥から守る
2. 目に酸素や栄養を届ける
3. 反射性の涙

4. 異物や細菌を防ぐ
5. 目の表面の傷を治す
6. 滑らかにする

目の機能を正常に保つために大切な働きをされていると言う事です!

涙腺から分泌された「涙(涙液)」は、
鼻涙管(びるいかん)を通過して鼻腔(鼻の内部)へと流れ込み排泄されます

ただ、何らかの原因で、過剰に涙(涙液)が分泌する
若しくは、正常に排泄できなければ、常に涙が溢れ出た状態になります!



涙の成分

  • 約98%が
  • 電解質(塩化ナトリウム、カリウム、カルシウム)など
  • タンパク質(リゾチーム、ラクトフェリン、リポカリン)など
  • ビタミンA、酵素
  • まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌される油分(脂質)
  • 角膜(黒目)や結膜(白目やまぶたの裏)で分泌されるムチン

角膜に栄養や酸素を届ける
殺菌作用をもった物質が含まれていて、微生物の侵入や感染を予防する
傷を治す成分が含まれていて、目の表面の傷を予防する


大量の涙で被毛が変色

涙液は、ほとんど無色の水分ですが,様々な成分が含まれていて
涙や唾液で、常に湿った状態だと、酸化やバクテリアに都合よい環境となり

付着する老廃物も関連して、
被毛部分に、細菌が繁殖することになりますね!

「温度・湿度」、また「免疫力」なども引き金となって
異常繁殖をすることもあるようです!



「涙やけ」になりやすい犬種

「プードル、チワワ、ポメラニアン、シーズー、パピヨン、マルチーズ、キャバリア、コッカー・スパニエル、ビションフリーゼ、ペキニーズ、パグ、ブルドッグ」など


特に、小型犬が多く、中でも、「目が大きく鼻が短い」等の特徴がある犬種で、
「涙やけ」を、起こしやすいと言われていますね!

目が大きいと異物が入りやすく、目と鼻の距離が短いと溢れやすいなど
また、鼻涙管が狭いなど、遺伝的(先天性)が関与してる場合も多いようです




涙やけの原因

涙やけの原因は、様々あるので^^;

涙やけの原因

画像の説明
  • 毛(逆さまつ毛)やゴミが目に入るのが原因
  • 鼻涙管が詰まっているのが原因
  • マイボーム腺の分泌が原因
  • 「結膜炎、角膜炎、眼瞼炎」等の眼疾患
  • ドッグフードやオヤツが原因
  • アレルギーが原因
  • 水分不足・運動不足が原因

涙やけに、あれが良い?とか、これが良い?とか
割合、主観的な要素も多く、これで完全に完治するとは言い難い面があって

原因を探るのは難しい部分がありますので、
1っ1っ取り組んで、原因と思われるものを取り除いていく方向性になります

ただ、重度の場合は、しっかり診察を受けて獣医さんと相談しながら治療を!



毛(逆さまつ毛)やゴミが目に入るのが原因


当然ではあるが、毛やゴミが入ったままだと
眼球を刺激して、涙がでますし、放置していると「涙やけ」となりますよね!

逆さまつ毛も、眼に刺激を与えてしまうので、短くカットしてあげるなど
目の周りは、常に清潔にしてあげることが基本となりますね



鼻涙管が詰まっているのが原因


鼻涙管閉塞



鼻涙管とは、
目と鼻をつないでいる涙腺で、

分泌された涙を
鼻の奥へと排泄するための細い管


この鼻涙管が、何かの原因(機能的異常)で詰まっている、或いは、細くなっているなど、正常に涙が鼻へ通らないことで、溢れてしまっている状態です

鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)と言う病状となり、
「涙やけ」の原因として、よく上げられている問題です

目と鼻の間が短い犬種に多く見られ
先天的なもの?遺伝的要因?或いは、炎症や老廃物の蓄積、外傷的な原因が考えられる

「プードル、マルチーズ、シーズー、コッカ―スパニエル、ゴールデンレトリバー、ベドリントンテリア、フレンチブルドック、パグ」などの短頭種


基本的には、よく顔を拭いてあげるなど、清潔を保つことになりますが
重度の場合は、鼻涙管を洗浄してあげる、又は、手術をするケースもあります

ただ、どちらも麻酔をする対応となり負担も掛かってくるので
ですので、十分、獣医さんと相談して検討することになると思います!



マイボーム腺が詰まっているのが原因


マイボーム腺

マイボーム腺とは、まつ毛の内側に整列した小さな点を開口部とした分泌腺

マイボーム腺から分泌されているのが「油分」で、この油分が少なくなると、涙が保持できずこぼれ落ちるようです

マイボーム腺は、涙液の蒸発を防ぎ安定性を保ち、瞬きによる摩擦を減らす役割


涙液層

油分があることで、涙がこぼれ落ちず角膜の上で保持されていて

目の表面を潤し、目がが乾かないように(涙の蒸発を防ぐ)ために重要な働きを果たしている


まぶたを閉じた時に、
上まぶたと下まぶたが触れる刺激で、油分が分泌されると言われていて

目の大きい犬種は、まばたきの際に、
完全に閉じないことも、マイボーム腺から油分が分泌されない原因とされている

他にも、神経系やホルモンなどのも考えられていて
マイボーム腺については、まだまだ未知の部分があるようです


マイボーム腺が詰まって(機能不全)しまうことで、炎症を起こす場合もあり
細菌感染によって、炎症を引き起こすことも考えられている



「結膜炎、角膜炎、眼瞼炎」等の眼疾患


角膜炎
黒目の部分を覆う無色透明な膜(角膜)に炎症が起きた状態
何かしらの理由で「痒みや違和感」から目をかいてしまい炎症を起こす

また、感染症などの非外傷性のものから炎症を起こす場合もある

結膜炎
まぶたの内側の粘膜が炎症が起きた状態のこと
何かしらの理由で「痒みや違和感」から目をかいてしまい炎症を起こす

また、感染症などの非外傷性のものから炎症を起こす場合もある

ぶどう膜炎
目の中にある「ぶどう膜」と呼ばれる組織が炎症を起こした状態
「内眼炎」とも呼ばれ、ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に生じた炎症の総称

目の炎症は、異物の侵入、感染症やアレルギーなど、また、他の病気からの併発
様々なケースから炎症が起きてしまうことがあるようです

目が腫れてきた、或いは、異常に壁や床などに顔をこすり付けてかくなど
また、大量の目ヤニが出ているとしたら、それは病気のサインかもしれません。

「涙やけ」の延長上からの原因で起こりうる事も考えられるので、
違和感を感じたら、動物病院で診察することが良いかと思います!




アレルギーが原因


涙やけ改善に関する研究が少なく
「涙やけ」と「アレルギー」の関連についても未知数だと思いますが

イヌと涙やけ改善に関する研究」では、

「涙やけ」に、アレルギーが関連しているとの仮説を立て

「血清 総IgE濃度」を比較した実験では、
「涙やけ」に、アレルギーは関係ないことが示唆されているようだ!


とは言え、「花粉、ハウスダスト、ダニ、ノミ、食物」など、

「環境アレルゲン」「食物アレルゲン」の
物質によっての関連性も、ある程度の配慮は必要ではないでしょうか?

また、アレルギーが原因であれば、体の痒みだったり、皮膚の炎症など
アレルギー特有の症状も出てくるので、原因となるアレルギー物質を除去することになる



ドッグフードやオヤツが原因


涙やけを改善させたフードと、悪化したフードで
涙やけの状態を観察した実験では、明かに「改善させたフード」が減少を示し

適正なフードに切り替えることで、
涙やけの改善(減少)をさせることに大きく期待が持てるようだ!

イヌと涙やけ改善に関する研究」では、

原材料を調査すると
原材料に、「乳酸菌、オリゴ糖、食物繊維」などが使用されている

商品特徴として
お腹の健康、腸内環境、抗アレルギー、抗炎症」が、記載されている


「調味料、着色料、酸化防止剤、保存料、香料」などの人工添加物
また、「動物性油脂」などが原因とされる説が多数あるようです!ので、

多くの「涙やけ」に悩まされている飼い主さんが
食餌改善(ドッグフードの変更)によって、減少されているのも大半です

どの成分が良いのかに付いては、
解明されている訳ではなく、個体差によっても異なるようなのですが...

添加物や、グレインが含む穀物などを継続されることにより、
老廃物が溜まってしまい鼻涙管を詰まらせる原因

その子に合ったフードを、試行錯誤しながら見つける形になりますね!



水分量と運動不足


「水分量と運動不足」だけで、涙やけになるとは考えにくいですが
要するに、水分量と運動不足を解消して、涙やけが改善された話は聞きません

とは言え、水分量が少なく、或いは、運動不足によって
新陳代謝の影響や、老廃物を体外から排泄するのが悪くなってしまう

結果的に、涙やけを助長させることに繋がるので、
「水分量と運動不足」の、見直しも必要になってくるのではいでしょうか!




涙やけの改善

愛犬の「涙やけ」予防と改善!見直しすべき事とは?

涙やけに、あれが良い?とか、これが良い?とか


涙が止まらない状態が続いて、
目の周りの毛を、変色してしまうのが「涙やけ」なんですが....

この、過剰にこぼれ落ちる涙の原因は、
割合、主観的な要素も多く、これで完全に完治するとは言い難い面があって

原因を探るのは難しい部分がありますので、
1っ1っ取り組んで、原因と思われるものを取り除いていく方向性になります

ただ、重度の場合は、しっかり診察を受けて獣医さんと相談しながら治療を!



第1に、常に目の周りを清潔に保つことが重要!

「涙やけ」から、細菌感染を起こし皮膚炎を起こすことがあります!
継続して濡れている状態が続くと、皮膚のトラブルの原因となりますので、

細目に拭いてあげることは大切になりますが、
ゴシゴシ拭くのも炎症の引き金となるので、やさしく拭いてあげましょう!

ホウ酸水は安全?

赤茶色になった「涙やけ」のケアとして、よく「ホウ酸水」が用いられたりしますが、
確かに「ホウ酸水」には殺菌作用があり、「涙やけ」を落とすのに良いとされています

ただ、「ホウ酸」は、毒性もあって
致死量は、「乳児で2~3g、幼児で5~6g、成人で15~20g」とされているので

自分で作る場合は、容量にも注意して取り扱いう必要がありますね!
また、目からたれた液を舐めてしまわぬよう、キズ口がある箇所には使用しないような心がけも!

「ホウ酸≒怖い」と、イメージさせてしまいましたが
因みに、 食塩でも一度に「20g」で死に至ると言われています





第2に、目の周りの被毛をカット!

大量に溢れた涙が続くと、涙やけ(赤茶色に変色)するので
変色した被毛をカットしてあげることが、細菌感染の予防になります

また、被毛が目元に与える刺激で、涙が分泌されてしまうので、
目元の毛も、こまめにカットすることが良いですね!





第3に、適度な運動と水分補給

水にはデトックス効果の働きもあります!水分を補給することで
老廃物を体外から排泄するので、水の摂取が少ない場合は対策が必要となりますね
犬が1日で飲む水の量はどれくらい?4っの考え方の計算式

また、新陳代謝の活性化を促進させる上でも、適度な運動が必要で
体の代謝が落ちてしまうと、老廃物を体外に出すのが低下することに繋がります





第4に、食べ物(ドッグフード)を見直しする!

涙やけの要因となっているのが、
「食べ物」が、多く占められていると言われていて!

食生活の見直しで、
涙やけの改善、若しくは、減少が見られるようになる!と、

フードに変えることで、劇的に「涙やけ」が改善されたケースが多いです!


画像の説明

  • 消化の良くないたんぱく源(穀物)が少ないもの
  • 「消化・吸収」が良いもの
  • 添加物が含まれていないもの
  • 動物性油脂が含まれていないもの
  • 腸内環境が良い成分が含まれている物
  • 水分をしっかり補給させること


食べ物の成分によって「鼻涙管」が詰まりやすいとされていて
なかでも、消化吸収が悪いものが影響している

老廃物が体内で溜めてしまい「涙小管・鼻涙管」を詰まらせない
たんぱく質や脂肪分が多いと涙の成分が濃くなり、粘性の涙になってしまいます。