犬に小麦(グルテン)は良くないの?誤った知識!理由を教えて
グルテン とは、
「小麦」など、穀物に含まれている「たんぱく質」のひとつ
主に小麦に含まれている「グルテン」
一般的に「炭水化物」に分類される小麦ですが
小麦の中にも、たんぱく質が「6%~15%」ほど含まれていて
そのうちのおよそ「85%」を占めているのが「グリアジン」と「グルテニン」
両方の性質をあわせ持ったのが「グルテン」と言うタンパク質が生まれる
この2つに、水を加えてこねることで、粘りや弾力性が出て「グルテン」になる
小麦を、粉砕して利用するのは「グルテン」を形成しやすくなる
グルテンは、
食物アレルギーの原因となるタンパク質でもあるので
小麦を含む食事を与えることで、アレルギー反応がでる場合がある
グルテンを 含む 穀物
「・小麦・大麦・ライ麦」
グルテンを 含まない 穀物
「・米・そば・大豆などの豆類・とうもろこし・キビ・アワ・キヌア・モロコシ」
「大麦、ライ麦」に関しては、
厳密にいうと
「グルテン」に似た、分子構造をしている
種類 | グルテン有無 |
---|---|
小麦 | 有り |
大麦 | 似ているタンパク質 |
ライ麦 | 似ているタンパク質 |
燕麦(オーツ麦) | 無し |
FDA(米国食品医薬局)によるグルテンフリー表示に関する定義では
グルテン含有穀物を「小麦、大麦、ライ麦をはじめとする穀物」としている
日本国内での、一般の食品では、
「小麦」以外の「大麦、ライ麦」は、アレルギー表示の対象になっていない
例えば、「大麦、ライ麦」が使われていても
”本品の原材料に含まれているアレルギー物質”
「えび、卵」 等、表示されるが
小麦以外の麦はアレルギー表示されない
「特定原材料7品目表示義務、特定原材料に準ずるもの推薦20品目」に含まれない
「小麦」以外は、食物アレルギー性は無いの?
基本的に、動物で問題を引き起こす食物抗原、
又は、原材料は、十分に実証されていないのが実情ですが
犬が、食物アレルギーの皮膚病状を起こす
最も一般的な原因が「牛肉・乳製品・小麦」と報告されていて
食物有害反応に関連する原材料として
原材料 | 報告例の割合 |
---|---|
牛肉・乳製品・小麦 | 69% |
ラム肉・鶏卵・魚 | 25% |
「大麦、ライ麦」は、アレルギー性は低いと考えられている
但し、小麦アレルギーの疑いがある場合は、
「大麦、ライ麦」などは、小麦と交差反応性があると考えられるため
小麦に対する交差抗原性をもつ「大麦やライ麦」など摂取することで
小麦アレルギーが反応する場合もある(反応する危険率20%程度)
そう言った意味では、摂取時には注意を必要がありますね!
小麦アレルギーの疑いがある場合は、「大麦、ライ麦」などを省くことが良いです
グルテンによって引き起こされるトラブル
小麦が犬にとって良くない理由は
- アレルゲンになりやすいリスクがある!
- グルテンが含まれてることで消化が悪くなってしまう!
- 胃腸に大きな負担をけててしまう
- 小麦はGI値の高い食品(高GI食品)
- グルテン誘発性腸症(セリアック病)
アレルゲンになりやすいリスクがある!
小麦は、「アレルギー」になりやすい食材の1っで
アレルギーによって「嘔吐・下痢・かゆみ・発疹」などが発症する場合がある
こういった症状が起これば、まずは、病院で診察してもることが重要だが
日常の食餌、及び、おやつ、サプリメント等で使用している原材料
小麦も含めて、「食物」をリストアップする必要がある
また、現在、アレルギーを持っていなくても、
継続的に摂取することで、突然、アレルギー反応が出てくる場合もあるので注意は必要
グルテンが含まれてることで消化が悪くなってしまう!
通常(正常な犬)であれば、
「消化管内の膵酵素と粘膜刷子縁の細胞内酵素で消化される」ことにはなるが
犬にとって、食物の消化が苦手と言う側面もあり、
肉類の消化副産物を素早く排出するための短い腸になっている!
食物は、消化吸収がしにくいために、時間をかけて「分解・吸収」するので
腸の長さが短い犬にとっては、「食物の消化が苦手」となってしまう!
逆に、犬の短い腸は、
動物性たんぱく質が、非常に消化吸収するのに優れています
※ 生肉・骨を分解する強力な胃酸(人間の20倍)
内臓に大きな負担をけててしまう
穀物類(炭水化物)は、
三大栄養素の1つで、大切な栄養成分として働きますが
過剰に与えることで、消化器を酷使(こき使うこと)することで、
犬の内臓に、負担をかけてしまう場合がある
カサ増しのために、グレインをたっぷりと使っているドッグフードの場合は
そう言ったリスクも考えられるので、注意は必要となりますね!
小麦はGI値の高い食品(高GI食品)
「GI」とは食後血糖値の上昇を示す指標
グルコースを基準
「GIが70以上を高GI食品」「56~69の間を中GI食品」「55以下を低GI食品」
と、定義されている。 グルコース、つまりブドウ糖を測定する方法
食物に含まれる炭水化物が、多いほど食後の血糖値は上昇してしまい
イネ科穀物では、「米、トウモロコシ」に続いて「小麦」がGI値が高く
小麦は、高GI食品に分類されています
とは言え、複数の原材料のうち、1つが「高GI食品」だからといって
そのペットフードで、血糖値は上昇するとは限りません
原材料のメインが、たっぷりと使っている
「高GI食品」であれば、用心するに越したことはないですね!
グルテン誘発性腸症(セリアック病)
人間では、グルテン誘発性腸症(セリアック病)
(グルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患)
但し、「犬と猫」では、グルテン不耐性の罹患率(りかんりつ)は不明とされ
アイリッシュ・セターが類似の疾患(グルテン感受性腸症)が認められている
グルテン不耐病(グルテンの消化不良により症状がでる体質のこと) アイリッシュ・セター(犬の品種)
発生比率は、明かになっていないが、慢性下痢症の原因となるので
グルテン感受性腸症の診断を受けている場合は、
小麦に含まれている「グルテン」を、排除する必要がでてくる
多くのドッグフードに「小麦」が使われているのはなぜ!
犬にとってあまり「良し!」とされていない小麦ですが
よくドッグフードの原材料としては、使われている傾向が高く
値段の安いドッグフードに利用されている場合も多く
特に、価格を抑えるために、小麦を大量に使われている場合がある
とは言え!
小麦には、炭水化物の他に、
たんぱく質源、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分も多く含まれていて
成分を調整する上で、多少使われているのであれば、
過剰に問題視する必要はないかと思いますし
アレルギー性に問題がないのであれば、
少々の「小麦」が使用されていても、大きな問題ではありません!
とは言え、リスク的に考えると「小麦」は・・・
突然、アレルギー反応が生じるケースもあるので、注意はしていきたいですね!
基本的には、トウモロコシの場合も同じですが、
「小麦」に変わる穀類(炭水化物)を、使われているドッグフードをお勧めします
ただ、実際には、
価格を抑えるために、小麦を大量に使われている
加工肉の「水増し」としてもごく当たり前に使われている
安価な「たんぱく質源」として使用されている
実際にどれだけ小麦が使用されているか?
分量まで分からないのですが・・・・
原材料の表示の中で、「1番目~3番目4番目」あたりに記載されている場合は
割合、多くの「小麦」が含まれていると考えられるので、警戒する必要はある
※ ドッグフードの原材料の表示は多い順に記載されている
グルテンフリーとは
最近は、「グルテンフリー」のドッグフードも目立ってきていますが
「グルテンフリー」とは、
イネ科の穀物「小麦、大麦、ライ麦」等が、含まれていない
グルテンが不使用となるのですが
商品によっては「小麦」が含まれていないので「グルテンフリー」してる場合もある
グルテンフリーについて
穀物を使用していない!と言うことではない
炭水化物を使用していない!と言うことではない
特定の穀物を除去していることと、品質が高いとは別のこと
グルテンを不使用ではあるが、食物アレルギーを改善した訳ではない
基本的には、小麦に含まれるグルテンを含まない
小麦アレルギーで悩まされている場合に適してはいるが
アレルギー反応が全くないと保証しているわけでないので
「グルテンフリー」のペットフードなので安心!と言うことではないです!
例えば、アレルギーの原因物質として
「牛肉、乳製品、小麦、鶏肉、鶏卵、とうもろこし、大豆」等が上げられている
また、グルテンフリーとされる「小麦、大麦、ライ麦」
大麦は、小麦に対する交差抗原性をもつので、アレルゲンとしてゼロではないが
とは言え、正常な犬では、特に問題ではないですし
大麦の栄養素も豊富でメリットが大きい原材料の1つでもあります
穀物とは、デンプンが主体の種子(植物のたね)を
食用とする植物から得られる食材の総称の1つ・・・・・「穀物」とは
「小麦,稲,トウモロコシ」世界の三大作物といわれ
次いで「大麦,燕麦,ライ麦,モロコシ」などが多い
グレインフリー(広く穀物を含んでいないという意味)
グレインは穀物を指し、グレインフリーは「穀類を使っていない」こと
近年では「免疫力の向上や健康」効果が見込める食習慣として
グレインフリーのドッグフードも多くなってきている
グレインフリーのドッグフード!穀物が与える犬への影響は?
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