犬が普段から下痢(軟便)を起こしやすい!原因と改善策!対処

下痢の原因と対策

下痢は!小腸性?大腸性?

下痢を引き起こす時に、その原因は小腸性からなのか?大腸性からなのか?
大きく2っに分けられて、鑑別は非常に重要となってくる

そもそも、下痢は、
便の水分量が、多い状態になっていることで
※ 通常は、70%程度の水分量が、80%90%と、水分量が多い場合に下痢となる


小腸に異常があっても、大腸に異常があっても、
「小腸・大腸」が、正常に機能してなければ下痢を起こすことになって

大腸も、小腸と同じく分泌と吸収を繰り返えすことになり
便を一定の水分量になるよう調整して、不要なものを便として排泄してくれます

水分バランスが崩れると、下痢が発生することになりますね!


慢性的なのか?急性的なのか?
原因によっては、慢性も考えられますし、進行を早める可能性も秘めているので

場合によっては、
早期の対応も考えて、なるべく早く病院で診察してみて下さい

下痢は「体調不良のサイン」として、適切な判断も求められるので
様子を見るにしても、動物病院に連れてくにしても、よく観察する事は必要ですね!




小腸・大腸

小腸の役割は、「栄養を吸収する」「水分を吸収する」
ほぼ全ての栄養素の消化や吸収を行う。水分の吸収を行う。

小腸性下痢の特徴は、栄養素が消化しきれていない側面があるので
1回の便は多くなりがちで、便の回数は差ほど変わらないか?若干増加する

便の形は、軟便から水様便まで様々で、長引くことで体重が減少していく傾向がある
出血がある場合には、便の色が黒っぽくなることがあります

小腸性の下痢

急性小腸性の下痢の原因は

  • 感染症(細菌、寄生虫、ウイルス)
  • 毒性(異物の誤食、ゴミの異食による中毒、中毒性物質の誤飲)
  • 食物性因子(無分別な食餌、腐敗したゴミ、腐敗した肉)など

慢性小腸性の下痢の場合は(3週間以上続くと慢性の部類に入る)
炎症性腸疾患や食物アレルギー(食物不耐性)含まれる


小腸性の症状

  • 便量は多量
  • 排便の回数が正常からやや増加
  • 軟便、水様便(液状の便)
  • 嘔吐は時々ある
  • 体重の減少は時々ある

炎症性腸疾患(リンパ球型質細胞性腸炎、リンパ球性腸炎、好酸球性腸炎、分節性肉芽腫性腸炎、化膿性腸炎、組織球性腸炎)

その他のから併発して発症することもあります




大腸の役割は、「電解質の吸収」「水分の吸収」「糞便の貯蔵」
残りの水分の吸収を再度行う。一定の量に達するまで排便を溜める

大腸性下痢の特徴は、栄養素が消化された後になるので
1回の便は少なくなる。「しぶり」があるものの便の回数は頻繁になる傾向がある

便の形は、軟便からやや形がある状態で、粘液(ゼリー状)が混ざることも多くなってくる
出血がある場合には、便の色が赤色の血便が見られる場合がある

大腸性の下痢

急性大腸性の下痢の原因は

  • 感染症(細菌、寄生虫、ウイルス)
  • 毒性(異物の誤食、ゴミの異食による中毒、中毒性物質の誤飲)
  • 食物性因子(無分別な食餌、腐敗したゴミ、腐敗した肉)など

慢性大腸性の下痢の場合は(3週間以上続くと慢性の部類に入る)
炎症性腸疾患や食物アレルギー(食物不耐性)含まれる


大腸性の症状

  • 便量は少量
  • 排便の回数が増加する
  • しぶりがある(出そうとしても便が出ない)
  • 軟便からやや形がある(ゼリー状糞)
  • 血便や粘液がみられる
  • 嘔吐は無い

炎症性腸疾患(リンパ球型質細胞性腸炎、リンパ球性腸炎、好酸球性腸炎、分節性肉芽腫性腸炎、化膿性腸炎、組織球性腸炎)

その他のから併発して発症することもあります




小腸性と大腸性の症状の比較

特徴小腸性大腸性
排便の量増加減少
排便の回数正常、やや増加増加
糞便中の粘液通常は無い通常ある(ゼリー状糞)
しぶりないある
嘔吐時々あるない
体重の減少時々ある




下痢

浸透圧性下痢(吸収不良性下痢)

吸収不良性下痢は、最も一般的に起こりえる原因の下痢で、
腸内に吸収できなかった栄養素があるときに引き起こしますね!

要するに、消化不良、吸収不良によって起きますし
過食などが原因で、消化が追い付かない場合もあります

消化吸収力が落ちてしまうと、消化されないものが腸に残り
過剰に水分が増して、体外に排泄するので下痢となってしまう

犬は、腸が短いため、消化不良をおこしやすくて
直ぐに、下痢をしてしまう傾向が高いです

十分に吸収できないと判断すると、出そうと働く!
要するに、防御反応によって、害と判断したものを出そうとします


基本的には、胃腸を休めることで回復に向かうので、絶食させることが効果的です
その際は、水分が失われるので水分補給は行ってください

下痢は、消化粥(キームス)が、正常になるまで続きますので
通常は、24時間~36時間の絶食で改善が見られるとされている




普段から、下痢(軟便)が起こりやすい!

若干の下痢っぽい!定期的に下痢(軟便)を起こす!
体調的には元気ではあるが、ちょくちょく下痢(軟便)をするなど、

そう言った、普段からお腹の調子が良くないワンちゃんには
消化が良い食餌を 心がけが必要になってきます....

普段のご飯(ドッグフード)が合わない!
単純に、与えている量が多い(食べすぎ)の場合も


普段の食餌が原因で、柔らかいウンチをする場合もあるので、
消化に気を使っている、ドッグフードに変えて見ることも視野にいれて

ドッグフードを見直すなど、食習慣の変化も必要!




下痢の改善する栄養素

消化を助ける
「消化率が高いフード」
腸内環境の維持
「食物繊維」
腸内フローラのバランスを整える
「オリゴ糖」
炎症を抑える
「オメガ3脂肪酸」
抗酸化作用
「ビタミンC」


「消化率が高いフード」

消化率が高いドッグフード(炭水化物消化率90%以上、蛋白質消化率87%以上)推薦
消化性が良い食餌は、吸収不良による下痢を減らすことを助ける


「食物繊維」

食物繊維は、腸管運動(腸のぜん動運動)の調整を助けて、
水分管理を改善させるのに効果が期待できる


「オリゴ糖」

善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことで、腸内細菌のバランスを整える

  • 善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌)など
    悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促す
  • 悪玉菌(ウェルシュ菌)
    有毒物質をつくるなど、体に悪い働きをする菌

「オメガ3脂肪酸」

EPAやDHAは、身体のさまざまな機能に効果を促し
粘膜の炎症を抑える(軽減)する上で有効な効果が持つとされている


「ビタミンC」

免疫細胞の活性化として
体内の免疫力をアップさせ、白血球の機能を強化させる


下痢対策として、有効な栄養素を、積極的に取り入れることで
腸内の環境を良くして、下痢(軟便)からの悩みを改善の方向が見込まれる!




菌の感染からの下痢

ウィルスや細菌からの影響で下痢をしている場合もあって
この場合、水分が多い下痢が続くようです

免疫に障害がある場合も
ウイルス性、細菌性による腸炎になりやすい

感染性、中毒性は、「下痢と嘔吐」が、共に併発する場合も多く
元気が消失して、脱水している場合もあり、緊急を生じるケースが多いです

  • ウイルス(パルボ、ケンネルコフ、ジステンパー)など

(パルボ)
伝染力が強く死亡率が高い、「嘔吐、下痢、血便」などが見られる

(ケンネルコフ)
伝染力が強く、空気伝染もする、元気がなく鼻水を出す、吐く仕草をする

(ジステンパー)
代表的な伝染病、死亡率が極めて高い、「嘔吐、下痢、血便」などが見られる

  • 細菌(サルモネラ)

(サルモネラ)
食中毒の菌として有名で、汚染された食品、ふん便からの感染、人にも感染させる

(レストスピラ)
ネズミ(咬み傷、尿)、患犬の尿やダニから感染、「出血性下痢、嘔吐」など

  • 寄生虫(コクシジウム類)

(コクシジウム類)
腸管に寄生、「下痢、脱水症状、嘔吐」などが見られる
その他にも、犬に寄生する(10種~20種)と言われている


犬は、なんでも口にしてしまう習性があり
また、臭いもの(異臭)を好みます

生ごみをあさったり、腐ったもの、拾い食いで食べてしまわないように注意が必要

例えば、手作りご飯で「加熱を加えていない生肉」を与える場合は
細菌性腸炎の原因になることもあるので、

新鮮な生肉に気を遣うか、加熱を加えてから与えることが望ましいです!
フードを食べている犬より、糞便に病原菌の検出率が高いとされる報告もある

下痢をしているからと言って、安易に市販の下痢止めを飲ませると
逆効果の場合もあり、感染(細菌、ウイルス)が原因の場合、

除去を、遅らせてしまって、進行を早める可能性もでてきます


ワクチンで、予防できる病気

狂犬病ジステンパーパルボウイルス感染症
アデノウイルスコロナウイルス感染症レプトスピラ感染症
犬パラインフルエンザ(ケンネルコフ)-

ワクチンは、稀に副作用が生じる場合がありますが、近年は安全性も高く、病原体に対する「抗体」が作られるので病状を悪化させずに回復に向かうために大きなメリットです

逆に、ワクチンをしないで、自然に「細菌・ウイルス」に感染して回復できれば、強い免疫が得られますが、デメリットとして、回復の保証が無いので非常に危険とされています


寄生虫飲ませる感染症の予防には
お散歩中に、水たまりを舐めたり、尿や糞を舐めたり、
よく匂いを嗅ぐ場合は特に気を付けて、拾い食いをさせないこと

また、ノミ予防・駆虫薬のしっかりとした予防がが有効となります。




ストレス

ストレスなどが原因の「特発性腸病候群」の改善策は食物繊維!

大腸性下痢:特発性(過敏性)腸病候群に伴う下痢

組織学的(生物の組織の構造や機能)に異常が認められない病例
神経質、ストレス、異常な性格特性を持った犬に多く見られる

例えば、「警察犬、救助犬、検知犬(薬物・爆発物)、探索犬」など

また、神経質で興奮しやすい犬、分泌不安などの行動異常のある犬にも多く、
この様なタイプは、発生しやすい素因を持っていると考えられる



日頃の生活の中で「ストレス」を感じてしまうケースは?

ストレスが原因で下痢をする場合もある

初めて(不慣れな場所)に行った時

慣れていない旅行をした時

乗り物(車など)に長時間乗った時

引っ越しなど環境に変化があった時

トリミングで嫌な思いをした時

ドッグランで他の犬と接触した時

ペットホテルに宿泊した時

構ってもらえない寂しい時

個体差にもよるが、何かしらのストレスによって、不安状態に感じると
腸の収縮運動が激しくなり、下痢などの症状が見られる場合もある




ストレスによる下痢には、高食物繊維食が推奨される!

特発性(過敏性)腸病候群と診断された多くの犬は
食物繊維の増量によって、良好な反応が見れれるようで

可溶性と不溶性の混合された、繊維源(5%~10%/乾物)を推薦!
繊維といっても、それぞれ得意分野が異なる!

重度の特発性(過敏性)腸病候群を持つ犬は
食餌だけで、コントロールすることは難しい部分もあるが

食餌療法を行うことは、軽減させる上で効果的な方法になる
それと伴い、下痢を誘発させるストレスを取り除く(減らす)努力は必要ですね!

現在の食物繊維が少ない場合や
含まれている繊維源の種類によっては、改善が見込まれるので

より適した食物繊維を配合したドッグフードに変更する

また、推薦される範囲の食物繊維が含まれていた場合でも
改善の兆候が見られないのであれば、異なるフードの変更も考慮する

要するに、成分量と原材料を見ただけでは、
最も有効な食物繊維の種類や量を予測するのも難しい側面もあるので、


それぞれの愛犬に合った、
ドッグフードを試行錯誤して決める必要も出てきますね!

または、現行の食事に食物繊維を補充してみる

その際の注意点は

食物繊維の過剰により、嗜好性が失われてしまうことと
バランス不良を招く可能性があるので、推薦量を超えないように注意する!





動物病院はいつ行く?

動物病院はいつ行く?家での対処は?

体調的には元気だが下痢(軟便)が続く場合

  • 1日~2日、様子は見てみる(フード少なく与えてみる、フードを替えて見る)

中毒物質を誤食した場合

  • 緊急性もあるので、直ぐに動物病院で診察をする

下痢と伴い嘔吐がある場合

  • 腸の炎症や感染症、中毒などの恐れも考えられるので動物病院で診察をする

腐敗した物を食べたことで下痢をした

  • 様子を見ても良い!場合によっては絶食させて胃腸を休ませる

あまり動こうとしない!震える

  • 腹痛も伴っている場合もあるので、動物病院で診察をする

体調は元気で、一過性が原因と思われる場合
半日〜1日2日、絶食で胃腸を休ませることで回復を助けます

その際、水分の補給は必要ですので、常温の水を少しずつ与える
絶食後は、フードをふやかすなど、消化の良いものを少しずつ与えていく


軟便の下痢が続いている場合は
普段の食餌(ドッグフード)や、おやつなどの食べ物が原因の可能性も考えられる

いつもと違う食餌(ドッグフード)を与えてみるなど
状況をよく観察してみて、改善の見込みがなければ診察も視野にいれる


市販されている下剤止めを、安易に飲ませるのは問題で
例えば、感染(細菌、ウイルス)が原因で、下痢を起こしている場合

下剤止めを摂取することで、
(細菌、ウイルス)の除去を遅らせてしまうことに繋がる


犬は、なんでも見境なく食べる習性があります
誤食(毛髪、骨や石、プラスチック、アルミホイル)などは、

大腸炎に繋がる可能性があるので、
病状によっては動物病院で診察をするのが良いです


下痢をして、血便もある場合
血便は、生命に関わる疾患も考えられるので、診察をするのが良いです


症状の改善が見込めない場合は、動物病院で相談しましょう!